スーパーノーマルの歴史


 初代スーパーノーマルは、03シーズンだけは完全に無くなったものの、後は2000年にコメンサルというブランドが出来てからずっとコメンサルバイクの中核をなすモデルとして09シーズンまで有った。04シーズンでも最初の発表時にはラインナップされていなかったが、シーズン中盤から復活した。名前が示すとおり、コメンサルの考える、凄く普通のMTB。奇をてらったところも無く、それほど高級パーツが奢られているわけでもなく。そして、発表当時から(つまりコメンサルというブランドが出来て以来)ずっとカラーリングは−おそらく「スーパーノーマル」と言うネーミングの思いが込められているのであろう−ホワイトだ。

 いろんな物事がもの凄い勢いで変化していっている現在に於いて、こういう変わらないバイクが有るというのはちょっと安心できる。ボクはそんな「スーパーノーマル」の頑なさにどことなくヨーロッパの伝統を感じる。


 ではこれから年代を追って歴代のスーパーノーマルとその周辺を少し見ていこう。


−2000年−
 コメンサル社誕生と共に独特のウイッシュボーンバックを持つフレームが特長のスーパーノーマルが誕生。
 カラーリングはおそらく超普通をイメージしたのだと思われるホワイト。同時にリリースされたフレーム売りのVIP(very importat pilotの略)はこれまたおそらくだけど、「特別」なイメージでは無いかと思われるゴールド。
 フレーム素材は大雑把に言うとアルミ。そのアルミでもスーパーノーマルに使われているのはN+uts。
 N+utsとはNec+Ultra Tubing Seriesの略で、このジオメトリーとフレームが受ける応力に対応するために特別に創ったオリジナル設計のチュービングのこと。素材となるチューブとフレームジオメトリーやデザインとのバランスはとても重要で、もしフレームのデザインを考慮せずにチューブを選んだら、どんなに良いチューブを選んだとしても期待はずれなフレームに仕上がってしまう。
 コメンサルのオリジナルチューブN+utsは材質レベルで、熱処理などにおいてベストなだけではなく、スーパーノーマルのジオメトリーに完全適応しているもの。


スーパーノーマル

VIP


−2001年−
 リアドロップアウトが鍛造で作られた独特の形状をしたものに変更された。独特のウイッシュボーンバックと相まって更にショック吸収性が良くなった。
 スーパーノーマルのまるでソフトテールであるかのような乗り心地はここに完成された。
 フレーム売りのVIPではディスクブレーキオンリーのフレームもリリース。


スーパーノーマル

VIP

−2002年−
 基本的にフレームは継続だがシーズン途中からダウンチューブとヘッドチューブの接合部にガセットが入るようになった。サスペンションの性能が上がってきている分、フレームに掛かる力も大きくなってきていたのだろう。
 フレーム売りのVIPはグラフィック共に継続のようだった。


スーパーノーマル

VIP

−2003年−
 「スーパーノーマル」のネーミングは一旦消えてしまうが、フレームそのものは材質をN+uts2にグレードアップして上位モデルとして「エッセンス」(02シーズンではフルサスモデル「ドクター」の弟分という位置づけのフルサスモデルだったのがハードテイルモデルも加わった)に引き継がれる。
 エッセンスはスーパーノーマルよりもレース寄りのコンセプトだったためディスクブレーキヴァージョンのみ。
 またフレーム売りのVIPも同じくN+uts2となりディスクブレーキヴァージョンのみで、ゴールドのペイントではなく、アノダイズド処理になっている。


エッセンス

VIP

−2004年−
 シーズン当初はラインアップされていなかったが後半に名実共に復活。
 材質はN+uts2になっているのかと思いきや、N+utsSL。おそらくフレーム自体は02シーズンのものと全く同じであったと思われる。それほどに完成度が高かったとも言える。
 フレーム売りのVIPは03シーズンからの継続のN+uts2のディスクブレーキヴァージョンのみ。
 この頃よりコメンサル社の方針がやや変わり始め、それに伴って(かどうかは不明だけど)ロゴが変更される。
 因みにエッセンスはカラーリングの変更のみでフレーム自体は継続だった。


スーパーノーマル

エッセンス

VIP

−2005年−
 04シーズン後半から復活し、05シーズンでも健在。カラーはスーパーノーマル伝統のホワイト。材質も従来からのN+uts SL 。人によってはこのN+uts SLが一番乗り易いとも言われている。
 因みに上位モデルのエッセンスやフラムのフレーム素材はN+uts3になっている。
 このシーズンからVブレーキ台座のないディスクブレーキヴァージョンが登場。上位モデルのエッセンスなどでは既に出ていたのだが、スーパーノーマルとしては初登場。つまりそれほどにディスクブレーキが普通(ノーマル)になって来たと言うことだろう。
 また、このシーズンよりチェンステイが左右非対称になった。左チェンステイが細くなってしまったのだ。細くなったとはいえ、独特の曲線を持ったままではある。それでもグラマラスなチェンステイもスーパーノーマルの特徴のひとつだっただけに残念。コメンサル社の説明によるとドライブサイドがしっかりしていれば問題ないので、軽量化のためにこうなったとのこと。おそらくコストダウンも有ったと思う。
 ドロップアウトは従来通りの鍛造品。上位モデルのエッセンスには新しいリアドロップアウトが奢られるようになった。 
 従来、フレームは台湾で製造されて、それが生地のままフランスに運ばれ、フランスで塗装、アッセンブルが行われ各国に出されていたのが、よりワールドワイドなブランドとして再出発するため05シーズンからは他の大手ブランドと同じく台湾で最後まで作られて台湾から出荷されるようになった。
 そもそも創業当時はフランスを中心にしてそれほど手広くワールドワイドに展開する予定が無かったようだ。この辺りは何とも難しいところなのだろう。
 時代の流れかアッセンブルパーツが、Vブレーキヴァージョンのみではあるがスラムになった。ディスクブレーキヴァージョンは従来通りシマノ(LX)。噂によると04、05シーズン、完成車向けのシマノパーツの供給が追いつかず、コメンサルなどの弱小ブランドは購買力も弱く、フレームは出来上がっていてもアッセンブルパーツが間に合わず大幅に生産予定を縮小せざるを得ない(つまり完成車として出荷出来ない)事態がおきたとか・・・。そんな経験からスラムパーツのアッセンブル率が高くなってきたのだろうか?それとも単に時代の流れだったのか・・・。
 そんなわけで構成は、Vブレーキタイプとディスクブレーキタイプ、それにフレーム売りのVIPスーパーノーマル(こちらも久しぶりの復活)となる。このVIPスーパーノーマル(上位モデルのエッセンスやフラムのVIPもあるので便宜的に「VIPスーパーノーマル」と呼ぶ)、何故かカタログには掲載されていない。ただ、カラーに関しては、フレーム単品の場合、他のシリーズのVIPもすべて同じ アノダイズドのようなカラー(おそらくアノダイスドではなくペイント?)になっている。
 また、ヘッドアングルが従来よりほんのちょっとだけ寝ている。これは従来は80mmトラベルのフォークを使っていたのに対し、05シーズンより100mmトラベルのフォークに変わったからなのだろう。


スーパーノーマル
Vブレーキタイプ

スーパーノーマル
ディスクブレーキタイプ

VIPスーパーノーマル

−2006年−
 基本的には変わっていない。05モデルと同じく、左側のチェンステイは細い。リアのドロップアウトも01モデル以来続いている形だ。材質も最初から続く「N+uts SL」。Vブレーキヴァージョンとディスクブレーキヴァージョンが有るのも同じ。そしてフレーム売りのVIPもカラーがホワイトになった。
 エッセンスやフラムは材質が「N+uts4」に変わった。従ってフレーム売りのVIPもVIP N+uts4となる。


スーパーノーマル
Vブレーキタイプ

スーパーノーマル
ディスクブレーキタイプ

VIPスーパーノーマル

−2007年−
 フレームが大きく変わった。材質は相変わらずの「N+uts SL」だが、とうとう右チェンステイも細くなり、左右ともストレートになってしまった。またチェンステーブリッジが追加された。ドロップアウトは05シーズンより上位モデルに使われていたニュータイプに変わった。そしてなんとヘッドバッヂが廃止された。これには正直言って驚いた。
 フレーム売りのVIPは無くなった。上位モデルではエッセンスが無くなり、フラムのみになりフレームの材質はN+uts5にアップデートされており、当然VIPもN+uts5。


スーパーノーマル
Vブレーキタイプ

スーパーノーマル
ディスクブレーキタイプ

−2008年−
 フレーム自体は07シーズンからの継続。嬉しいことにヘッドバッヂが復活した。
 このシーズンからVブレーキヴァージョンは無くなりディスクブレーキヴァージョンのみになった。つまり、ディスクブレーキがもはや超普通になったと言うことか。
 上位グレードは07シーズン以来フラムのみだが、フレーム売りのVIPはN+uts5に加えてリアエンドが可動タイプのチタンフレームが加わった。


スーパーノーマル

VIP

−2009年−
 07シーズンからの継続。グラフィックデザインは意外に変更はない。もちろんディスクブレーキヴァージョンのみ。
 上位モデルのフラムも遂に無くなった。が変わりにカーボンフレームのスキンが登場。
 フレーム売りのVIPもチタンとカーボンのみ。


スーパーノーマル

スキン

−2010年・2011年−
 とうとうスーパーノーマルはラインナップから無くなった。
 ハードテイルの上位モデルはスキンのみとなった。
 チタンフレームは無くなっている。

−2012年−
 2年の充電期間をおいて、満を持しての復活。
 フレームは全く違う新開発のものになった。しかも29erヴァージョンも登場!もちろん26インチも有るが、国内では(?)フレーム売りのみ。29インチもフレーム売りがある。 特に「VIP」と謳われているわけではない。カラーリングは当然(?)ホワイト。
 フレーム素材はN+utsスーパーライトTB(トリプルバテッド?)となっている。
 リアエンド周辺は従来のスーパーノーマルとは全く違う形になり、ディスク台座はポストマウントタイプ。
 フロントメカは直付けタイプを取り付けるようになっている。 
 ヘッドは昨今流行のテーパーヘッドで、サイズは主流(だと思われる)上1-1/8インチ・下1-1/2(1.5)インチ。ヘッドセットはヘッドアングルを+-1.5°調整することが出来るZS44-56。因みに26インチフレームは上下とも1-1/8インチ。
 BBも昨今流行のBB30。ダウンチューブはBBに向けて随分と偏平に加工されている。チェンステイは昔のスーパーノーマルと比べると随分とスッキリしているが、昔と同じくブリッジレス。また、シートステイは一見するとなんてこと無いような形に見えるが、実はかなり凝った形状のパイプになっている。
 チェンステイの端面にはコメンサルのロゴがさり気なく彫り込まれている。
 これらから察するに開発にはそれなりに気合が入っていることが窺い知れる。
 上位モデルのスキンはまだ残っている。


スーパーノーマル 26

 

スーパーノーマル 29

 

−2013年−
 フレームは12シーズンからの継続だが、カラーが変わった。コレもホワイトの一種と言えば言えるのだろうか?
 カーボンモデルのスキンが無くなり、フレーム売りだがチタンが復活。


スーパーノーマル 26

スーパーノーマル 29

スキン
 

−2014年−
 時代の流れか、ホイールサイズが650Bとなり、フレームも2014シーズンのコンセプト「エンデューロ」に沿った形に。但しXSサイズはダブルトップチューブ(シートチューブとトップチューブを結ぶ斜めのパイプが入る形状)ではない。ヘッドは29erと同じくテーパーヘッドだが、BBは通常のネジ切りタイプに戻った。カラーも完全にホワイト系では無くなった。
 国内では2013シーズンからの29er、26共にフレームは継続なので、体格、乗り方に合わせて選べるようになった。
 またフレーム売りで「スーパーノーマル」としては初となるチタンフレームが登場。


スーパーノーマル650B-1

スーパーノーマル650B-2

チタン

XSサイズ
 
(2013/09/07 追記)


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