コメンサルの05モデルを見てきた。結論から言うと、それほど悪くない。というのは実際に乗ったわけでは無いので、両手を上げて絶賛できないと言う意味。見た目だけで言えば、何も変わっていない、若しくは良くなっているとも言える。 特に、03モデルで顕著だった ステッカー の貼り乱れなどは04モデルに於いてかなり改善され、それはそのままのクオリティーできちんと維持されていた。 それから値段設定だが、単純に値段だけを見れば、安くなってはいる。しかし、従来のフレームのみの生産ではなく、塗装、アッセンブル、出荷に至るまで、全てを台湾で行うようになったことと、パーツスペックがかなりの割合で非シマノ化されたこと、加えて、新たな国内ディストリビューターの戦略的価格等を考えれば、一部を除き、驚くほどに安くはなっていないように思える。が、そんな難しい事を考えず、単純に値段が下がったことは歓迎されてしかるべきだと思われる。 ユーザーサイドとしては様々なお家騒動が仮にあったせよ、無かったにせよ、従来通りか或いはそれ以上の良いバイクが供給されるのであればそれでよいのである。 前置きはこれくらいにして、各モデルを見ていこう。 ◎コンビ これはフレームが今までとはデザインが一新されている。 リアエンド に従来の上級モデルのそれと同じタイプのものが奢られている。そして、 シートステー は従来のモノステータイプから普通に左右別れたタイプになった。材質は NUTS AL となっていた。従来のNUTS DBとの違いは解らないが、コンビSにはNUTS DBが使われているようだ。 コンビSも若干フレーム形状が変わっている。メインのパーツアッセンブルはほとんど スラム製 で、フロントサスは サンツアー 。 構成は従来通り、Vブレーキタイプと、ディスクブレーキタイプと,Wサスタイプ。フレーム売りは無い。カラーはキャンディーレッドと ブラック 。 ◎スーパーノーマル 03シーズンで一旦無くなったが、04シーズン後半から復活した。カラーはスーパーノーマル伝統のホワイト。材質も従来からのNUTS SL 。人によってはこのNUTS SLが一番乗り易いとも言われている。特筆すべきは、従来からのVブレーキヴァージョンに加えて、ディスクブレーキヴァージョンが登場したこと。ボクの個人的意見を述べれば、やはりスーパーノーマルはVブレーキでしょう。でも、時代の流れは確実にディスク化に向かっているし、スーパーノーマルが誕生した当時から比べるとパーツもそれほど入手困難では無くなっている。ましてや、今回使われているのはシマノLXのディスクブレーキ。そう考えると、スーパーノーマルの基本的なコンセプトには十分沿った物であるといえる。 もしかするとリアエンドの形状が従来の物とは若干変わるのかも知れない。展示会に来ていたサンプルでは変化は見られなかったが、カタログの写真だと新しくなっている。また、ダウンチューブのヘッド付近のガセットもカタログでは3Dガセットだが、サンプルでは 板状のガセットだった 。もしかするとサンプルで来ていたのは、従来のフレームのリペイント版だったのかも知れない。あくまでサンプルと言うことで。バックの肩部分のコメンサルのマークを貼り込むための彫り込み も、04モデルで無くなったのに、今回のサンプルにはあった。が、カタログの写真を見る限りに於いては見受けられない。 メインパーツアッセンブルは、Vブレーキヴァージョンがスラムで、ディスクブレーキヴァージョンがシマノLX。 そんなわけで構成は、Vブレーキタイプとディスクブレーキタイプ、それにフレーム売り(VIPスーパーノーマル)となる。ただ、カラーに関しては、フレーム単品の場合、他のシリーズのVIPもすべて同じ アノダイズドのようなカラー(おそらくアノダイスドではなくペイント)になっている。 また、コンビや、エッセンス、フラムもそうだが、ヘッドアングルが従来よりほんのちょっとだけ寝ている。これは従来は80mmトラベルのフォークを使っていたのに対し、05シーズンより100mmトラベルのフォークに変わったからなのだろう。 ◎エッセンスとフラム これらのフレーム素材はNUTS 2からNUTS 3になった。乗り心地がどんなだかは全く解らない。サンプルが来ていなかったので、詳しくは解らないが、カラーはカタログで見る限りは両方ともブラック。メインパーツのアッセンブルはスラムとシマノをミックスで。その他に特筆すべき事はなさそう。ただ、リアエンドがスーパーノーマルと同じく、カタログで見る限りにおいては変わっている。(因みにカタログの、VIPエッセンス、フラムの所には「ニュードロップアウト」と記されているので、やはり変わったのだろう。VIPスーパーノーマルの項には記されていなかったが・・・)勿論、フレーム売りのVIPも用意されている。 ◎メタ 05シーズンからのニューモデル、メタシリーズ( メタ4.10/メタ5.10)。 これはよりXC色の強い4インチトラベルのメタ4シリーズと、よりフリーライド色の強い5インチトラベルを持つメタ5シリーズに分けられ、それぞれ、パーツ構成の違いで、上から4.10、4.20、4.30と言う具合に枝分かれする。そして勿論、それぞれにフレーム売りのVIPがある。フレームの材質はNUTS SLとなっている。 面白いことにリアエンドは右のみではなく、 左側もリプレースタイプになっている 。これにより、従来の10mmアクスルと12mmのスルーアクスルの両方に対応できるようだ。 このメタシリーズと後に述べるシュプレームシリーズはともに「 コンタクトシステム」というリアサスペンションシステムを採用している。詳しくは コメンサルのサイト の説明に譲るとして、つまりは「ボビングを排除しつつ、ペダリングの効率化と最大のグリップ力を発揮する事の出来るサスペンションシステム」と言うことらしい。 サイクルスタイル 会場での試乗ではあるが、メタ4.10はなかなかよく進む感じで、確かにリアサスの嫌な挙動は感じられなかった。今シーズンはこのメタシリーズがメインになってくるのでは無いだろうかとも思う。 ◎アブソルート 従来のパスタに取って代わるモデル。後継機と呼ぶにはややニュアンスが違うように思う。アブソルートは アルミフレーム と クロモリフレーム に分けられている。アルミフレームの方はもしかするとパスタの後継機と言うのに近いかも知れないが、、クロモリの方はもっと過激な、所謂「落ち系」フレームである。素材がクロモリで有るという意味に於いてはラヴの後継機とも解釈できなくは無いが、タイプ的には全く違うように思える。ボクの個人的印象で言えば、26インチBMXって感じだ。このクロモリフレームは 24インチと26インチの両サイズのホイールに対応している 。それぞれ、フレーム売りもある。 また、これはサンプル車だけの事なのかも知れないが、アブソルートのアルミは、完成車とフレーム売りのフレームに若干の差異が見られた。 ◎シュプレーム シュプレームシリーズは、 シュプレームフリーライド と シュプレーム に大きく分けられ、さらにシュプレームフリーライドは、パーツ構成の違いで上からシュプレームfr6.10、同6.20、同6.10に分けられる。これらはかなりDHに近いフリーライドバイクであるが、本格DHマシンとしてはシュプレームが用意されているわけだ。シュプレームフリーライドは6インチトラベル、シュプレームは8インチトラベルとなる。両方とも ヘッドアングルを±1°の範囲でアジャスト出来る 。 勿論いずれもフレーム売りは有るのだが、カタログを見た限りでは、シュプレームは完成車、フレーム単品ともに同じブラック(シュプレームfrは他と同様、 アノダイズド風の色)のようである。アン・キャロのイメージだろうか。 −ロードバイク− フレームは従来の3種類、NUTS DB、NUTS 2、NUTS カーボンに加えて、NUTS DBのカーボンシートステイモデルがハワードとしてリリースされる。なお、フレーム売りがあるのは従来通りNUTS 2と NUTS カーボン のみである。両方ともカラーはMTBのVIPと同じくアノダイズド風である。 カーボンフレームはリアセンターがアルミフレームに比べて5mm長くなっている。これは04シーズンでカーボンフレームが登場したときからで(何故かカタログスペックでは同じになっていたが)、よりリアの衝撃吸収性を上げるためとのことだ。 嬉しいことにロードは随分と値段が下がった。先述した様々な要因を考えてもかなり安くなっていると言わざるを得ないだろう。では順に追っていこう。 ◎コルト 今シーズンも、ドロップバーヴァージョンとフラットバーヴァージョンがリリースされる。フレームはNUTS DB。カタログスペックによると、ドロップヴァージョンにはカーボンフォークが奢られるようだ。04モデルでもカタログではカーボンとなっていたが、実際にはアルミフォークだった。今回はフラットバーヴァージョンはアルミフォークとなっているので、或いは分けられているのかも知れない。フラットバーヴァージョンは従来通りフロントトリプルだが、ドロップバーヴァージョンではコンパクトドライブのダブルになっている。個人的にはコンパクトドライブ化は大歓迎。やはりフロントの変速というのは面倒だ。だからなるべくダブルで済むのなら、ダブルの方がいいとボクは常々思っている。 余談になるが、ガンガンのレーサー志向で有るならいざ知らず、ツーリング的に使うのであって、通常のギアでは重すぎる人にはコンパクトドライブは実にお勧めである。それでもまだ足らなければ、MTBのスプロケットを使うのも有りだと思う。特に変速が苦手な人には、フロントトリプル化より、こちらの方法をお勧めする。 ◎ハワード 先述したとおり、フレームはNUTS DBでシートステイはカーボン。フロントはこちらもコンパクトドライブになった。メインコンポが105で有ることに変わりはない。 ◎スチュワート 04モデル同様、NUTS 2のモデルとカーボンのモデルの2モデルがある。メインコンポも変わらずアルテグラ。ただ、アルミの完成車の方はカタログ写真ではフロントトリプルになっている。カラーはいずれもブラックのようだ。 ◎ナイト 今シーズン初登場のバイクだ。NUTS カーボンのフレームにメインコンポとして105を最小限だけ使い、とてもコストパフォーマンスの高い一台に仕上げている。フロントギアはコンパクトドライブのダブルなので、力の無い女性にも使いやすいだろう。カラーはこれもブラック。 ◎100° コメンサルロードバイクの最高峰。カタログ写真で見る限りはフレームは白にペイントされている。シートピラーには何故かトムソンのセットバックが。メインコンポーネントからホイールに至るまで、デュラエースがフルアッセンブルされている。 ◎シクロX 中身は全く変わりがなさそうだが、カラーは変わっているのかも知れない。材質は勿論NUTS 2。 |