コメンサル06モデル・レポート

 もう既に多くの方がご存じだろうけど、05モデルからコメンサルの日本代理店となったインターテックが代理店を辞める。この情報は結構前に入手していたのだが、ではこれからの06モデルはどうなるのだ?と思い、これからのことが何もわからないのに、そんな情報だけ公表しても意味が無いので公表はしなかった。(日記で多少はふれたが)

 インターテックの言い分によると、「取扱開始当初より発注内容に従った適切なデリバリーやクレーム発生に対する対応が非常に悪く」「ビジネスとしての継続が難しい状態」になっているとのこと。

 それでは一体06からコメンサルは日本に入ってこないのか?インターテックからのアナウンスではその時点ではまだ決まっていなかったようだが、先日開催されたサイクルモードに於いて、小さなブースながら06モデルを出していた。

 どうやら06モデルも正規代理店を通じて日本には入ってくるようだ。アキコーポレーションのブースに間借りするようにして出していたので、すっかりアキコーポレーションでやるのかと思っていたら、どうやら違うようだ。アキコーポレーションはルイガノもKONAもやっている。この上、更にブランドを抱えても回っていかないとのこと。確かにそうだろう。では結局何処がやるのかはまだハッキリとはわからなかったが、とある会社がやることがほぼ決まっていると言うことだった。既に「コメンサルジャパン」としてwebサイトも立ち上がっている。

 とはいえ、06モデルの全てのラインナップが入ってくるのかどうかはわからない。本国のサイトを見る限りではかなりラインナップが増えている。こんな言い方は変だけど、何だか大手のブランドのようだ。「ノーマル」も復活している。サイトの写真を見る限りに於いては、コンビと同じフレームで、グレードとしては多分コンビの下になるのではないかな。ちょっと悲しい。

 ボクが個人的に集めた情報を統合するとこういうことらしい。マックス・コメンサル自身は日本のマーケットをそれなりに大きく見ているようで、どこかがやってくれないものかと探していたようだ。そこにアキコーポレーションやその他の会社が間に入って調整をしていたようだ。その当たりのことは、いろいろとビジネスのことなので、良くわからないし、わからなくても良いと思う。つまりは、これからも安定してコメンサルバイクが日本に入ってきてくれさえすれば、そして、コメンサルバイクが相変わらず独創的で魅力的なバイクで有り続けてくれさえすれば、それで良いのだ。

 そんなわけで取り敢えずは06シーズンからの正規代理店も決まりそうでホッと一息。しかし、今一つの問題。変わらず魅力的なバイクで有るかどうか。これは個人的主観的なところもあって、一概には言えないけれど、ボクが見てきた素直な感想は、やや?である。少なくともハードテールバイクはスーパーノーマル以外の所謂「NUTS4」のフレームにはあんまり魅力を感じられなかった。勿論、これはオフロードを走った感想では無く、飽くまで見た目だけの感想であることを断っておく。

 では、それぞれのモデルの主観的解説。

 コンビは05モデルと基本的には変わって無さそう。コメンサル本社のサイトで確認した限りでは、05モデルと同じく、コンビ、コンビディスク、コンビSの3種展開のようだ。カラーリングは落ち着いた良い色だと思う。また先にも述べたとおり、多分、コンビより下のグレードとして、「ノーマル」が復活している。

 スーパーノーマルも基本的には変わっていない。05モデルと同じく、左側のチェンステイは細い。リアのドロップアウトも01モデル以来続いている形だ。材質も最初から続く「NUTS SL」。実はボク自身はこの「NUTS SL」のフレームが一番乗りやすかったと思っている。一言で表すなら「しっとりとした乗り心地」とでも言えようか。嬉しいことにカラーもホワイト!これは重要(ボクにとってはということだけど)。ラインナップは05モデルと同じくVブレーキヴァージョンとディスクブレーキヴァージョンが有り、フレーム売りの「VIP」は無さそうである。

 このスーパーノーマル、完全に無くなったのは03シーズンだけで、後はコメンサルというブランドが出来てからずっとコメンサルバイクの中核をなすモデルで有る。04シーズンでも最初の発表時にはラインナップされていなかったが、シーズン中盤から復活した。名前が示すとおり、コメンサルの考える、凄く普通のMTB。奇をてらったところも無く、それほど高級パーツが奢られているわけでもなく。そして、発表当時から(つまりコメンサルというブランドが出来て以来ずっと)カラーはホワイト。

 いろんな物事がもの凄い勢いで変化していっている現在に於いて、こういう変わらないバイクが有るというのはちょっと安心できる。ボクはそんな「スーパーノーマル」の頑なさにどことなくヨーロッパの伝統を感じる。

 エッセンスやフラムは材質が「NUTS 4」に変わった。カラーに関してはそれぞれ好みの別れるところなので、随分と主観的意見になってしまうのだけど、エッセンスのカラーはいただけないなぁ。何だか安っぽい感じがする。フラムの黒はそれなりに良いのだけど。因みにフレーム売りの「VIP」はアナダイズドブラック。それと、06モデルから追加のチームレプリカフラムはスーパーノーマルのようなホワイトで格好いい。この「チームレプリカ」シリーズには各車種があって、全てカラーはホワイトで統一されているようだ。

 フレームは材質の変更だけでなく、様々な変化が見られる。まず、ヘッドがインテグラルタイプになった。まぁ、これは時代の流れだろう。リアのウィッシュボーンはそのままだけど、リアドロップアウト(リアエンド)は変わった。左側は05モデルからのディスク台座一体型の独特な形状だが、右は普通の形になってしまった。ちょっと見た目には00モデルのような形。とはいえ、ボクは00モデルを実際に見たことは無いので、ちゃんとしたことはわからない。以前、コメンサル社から聞いた説明では、あの独特の形状により、随分と路面からのショックを吸収していると言うことだったように記憶しているのだけど、その辺はどうなったのだろう。或いは、材質が良くなったので、わざわざコストの掛かるこれまでのドロップアウトを使わなくても良くなったと言うことなのだろうか?例えそうであったとしても、あの独特のリアドロップアウトで無くなったのは悲しい限り。

 また、05モデルより左側のチェンステイは細くなっていたのだが、今回は右側も細くなってしまった。これも昨年聞いた説明では、力の掛かる駆動側(すなわち右側)はそのままに、力の掛からない左側はそれほど太く有る必要性も無いので、コストを下げるためにも細くしたと言うことだったと思う。或いはこれもまた材質の変更で説明されてしまうのだろうか。ここでもまた一つ「コメンサルらしさ」みたいなのが減ってしまった。(例え、コメンサル以外のブランドでも使われていたとはいえ)

 確かに大切なのは見た目では無く、性能で有る。つまり乗り心地というのも性能のウチで、それさえがしっかりしていれば良いのだけど、やはり見た目の格好良さや、他ブランドとの形の違いという視覚的なものも結構大切だと思うのだ。そう言う意味に於いてはやや魅力が下がった感は否めない。それが正直な感想。

 Metaシリーズは、フレームのフロントパートがハイドロフォーミング成形されたパイプで構成されるようになった。見た目の格好良さと言う点では意見の分かれるところだろうけど、悪くないと思う。リアパートは変わってなさそうである。試乗したときはサスのエア圧がボクの体重に全く有っていなかったせいか、ちょっとフカフカし過ぎだったが、基本的な構造は変わっていないので、相変わらず乗りやすいバイクなのでは無いかと思われる。

 ラインナップは05モデル同様、前後4インチストロークのMeta4がパーツ構成の違いで3グレード、前後5インチストロークのMeta5も同じく3グレード。それぞれフレーム売りの「VIP」も有る。それらに加え、チームレプリカMeta4Xと、そのフレーム売り「VIP Meta4X」が登場。シュプレームのようにヘッドアングルを変えることが出来るようだ。

 シュプレームシリーズも05モデルと同じく前後6インチストロークのシュプレーム6が3グレードとシュプレームDHが完成車で、それぞれ、チームレプリカシリーズでも完成車が有り、フレーム売りの「VIP」もそれぞれ有る。下り系は余り詳しくないので、良くわかっていないが、フレーム自体は05モデルと同じだと思われる。

 以上、紹介した以外にMTBではアブソルートシリーズがある。完成車では05モデル同様アブソルートクロモリとアブソルートアルミ。アルミの方は2グレードに増えたようだ。それに加え、ヘッドアングルが調整可能なチームレプリカアブソルート4Xがあり、フレーム売りの「VIP」にもそれぞれ、クロモリ、アルミ、4Xと有る。

 ロードバイクはサイクルモードにも来てはいたが、それが06モデルなのかどうかは不明。見た目は05モデルのVIP NUTSカーボンだったが。コメンサル本社のサイトでもロードバイクの06モデルは未だ発表されていない。
(2005/11/23) 


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