回転木馬 試乗車12

09Commencal_Super4.3(Sサイズ)



commencal_super4.jpg

 開発に2年を掛けたという、Meta4の後継機種となるスーパー4。
何と言っても09シーズンでは最も注目のバイク。
フレーム重量はMeta4よりも600gもの軽量化。

 そう言うわけで、ブーメラン型のスイングアームを持ったMeta4は08シーズンだけで終わってしまった。
 有る意味ではかなり貴重なモデルになるのかも。

 乗ってみた感想は、Meta4よりも更に登りが楽!漕いだ感じではMeta4以上にサスの介在を感じさせないけれど、でもしっかり仕事をしてくれているのは下りの安定感から伺える。
 こりゃーエエ!この一言に尽きる!!

 09シーズンからは積極的にインテグラルヘッドが採用されている。
 その昔コメンサルでは「インテグラルヘッドにすることでヘッド周りの剛性が上がるわけでは無い」と言っていたように記憶しているんだけど、まぁ時代の流れなんだろうなぁ。

 また、ヘッドに繋がるダウンチューブからはガセットが消えた。
 これはダウンチューブをヘッド付近で湾曲させ、溶接によってヘッドチューブ、トップチューブと一体化させる事で剛性が確保できているから。
 スペシャライズドで言うところのOREテクノロジーみたいなモノだな。

 また、トップチューブはヘッドチューブ付近で丸から四角に近い多角形になっている。
 非常に凝った成型がなされているのだ。勿論これによってヘッド周りの剛性が上がっている。

 トップチューブはMeta4より20mm低いところでシートチューブに溶接されている。
 これは09シーズンの殆どのモデルに見られる傾向。
 Meta4程ではないが接合部分は大きく成型され溶接面積を増やし剛性を高めている。

 Meta4では別パーツだったコネクティングロッドがリアフレームに一体化された。またおにぎり型のロッカーリンクプレートはかなり小さくなっている。で、その左右のロッカーリンクプレートを繋ぐブリッジも太くなり、ロッカーリンクプレートとの接合面積も増えた。ロッカーリンクプレートはコンパクトにはなったが厚みを増した(とは言え複雑に肉抜きされている)。

 またブリッジはロッカーリンクプレートに嵌め込む構造(従来は面を合わせるだけだった)になり、これらの結果、横方向のよじれに対する剛性は格段に上がっているようだ。

 リアフレームは往年のコメンサルファンには懐かしい形かも知れない。ドクターなどで採用されていた左右非対称の形状をしている。
 これはドライブ側はチェーントラブルを避ける為に湾曲させ、左側は効率良く直線で繋いでいるためなのだ。

 軽量化への執念とも言える見事な肉抜きがあちこちに施されている。
 リアフレームと一体化されたコネクティングロッドのロッカーリンクプレートと繋がる部分や、リアフレーム上下のステイブリッジも徹底的に肉抜きされている。

 ジオメトリー表を見ると、Meta4に比べシートアングルがグッと立っているが、これはシートチューブとダウンチューブの溶接位置がMeta4と比べるとかなり後退したせい。Meta4ではBBのかなり前の方からと言うかダウンチューブ上からシートチューブが立ち上がっていたのに対し、スーパー4ではBBのほぼ真上からシートチューブが立ち上がっている。

 つまりBBを起点とした実質のシートアングルは殆ど変わっていない。
 メインピボットとBBに掛かる大きな荷重を更に効率良く受け止めるフレームワークを考えた結果こういう形になったらしい。


 コメンサル09モデルの詳しい解説はコチラ

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