仮面ライダークウガの時間

Part 8

 仮面ライダークウガの時間です。きっとこのまま最終回まで書き続けるだろうなぁ。ってなわけで、そうなるとあと11月号、12月号、1月号の3回しか書けない!せっかくの大反響なのに…(ウソです)。

 今回はエピソード34からとなりますが、テーマがだんだんと重たくなってきます。そんな中にあってきたろう扮するおやっさんが放つギャグで何となくホッとさせられます。クウガのライジングフォームが4態(体)出そろった記念(おやっさん自身は五代君がクウガだって事は知りません。みんなそうですがいまだに第4号とか金の4号なんて呼んでます)にと、ポレポレ(おやっさんがやっているオリエンタルなレストラン)の新メニューを考えつきます。金のクウガ(ライジングフォーム)にかけて、得意のカレーに金粉を混ぜちゃいました。この単純さも笑えますが、その新メニューの名前がなんと「ケロンパ」。おやっさん曰く「キンキンじゃ単純すぎるから」とか。わかります?若い人にはわかんねぇだろうなぁ。

 さて本題ですが、いよいよクライマックス突入。理由も無く殺戮を続けるグロンギ達に対し、怒りを抱きつつ戦い続けるクウガですが、今回はそんな怒りが爆発します。罪も無き高校生達を対象に殺戮を続けるヤマアラシ種の怪人ゴ・ジャラジ・ダ。彼に狙われながらもクウガの助けで一命を取り留めた高校生が五代君に漏らします「俺達が苦しんでるのを見るのが楽しいって…」と。

 ゴ・ジャラジ・ダをとらえたクウガは怒りを爆発させて彼を怒りの拳でめった打ちにします。かなりグッタリしてしまっているジャラジになおも攻撃し続け、ジャラジはそんなクウガに恐れをなしてか這々の体で逃げようとしますが、クウガは許しません。さらにライジングタイタンフォームに超変身してタイタンソードでこれでもか!と言うくらいに斬りつけます。そばで見ていた刑事さん達もそりゃやりすぎだろうって顔でした。クウガ(五代君)はもう自己を制御できなくなっていたのでしょう。怒りに溢れ暴力の渦へと巻き込まれてしまったのです。

 このドラマの底に流れているテーマとは、エピソード35のサブタイトルにもなっていた「愛憎」まさにこれです。人間の共存する「愛」と「憎しみ(に伴う暴力)」。奇しくも一条刑事の口から発せられた言葉「価値観の違いは決定的だ」「どうしてこんな存在が生まれてきたのか…」にすでに答えは秘められているように思えます。クウガ(五代君)は今回の戦いで薄々とそのことに気づいてしまったようです。グロンギとは我々人類の中に潜む「憎しみ」「暴力」の象徴であり、言い換えれば人類のマイナス面のメタファーとしてとらえることも可能でしょう。すなわち現代社会或いは人類の歴史に脈々と流れ続いている理由無き暴力(最近で言えば地下鉄サリン事件)の象徴、或いはメタファーとして描かれているのがグロンギだと思われます。

 ジャラジを倒し、変身を解いてそこに立ちつくす五代雄介。彼は以前から恐れていた事をふと思い出してしまったのではないでしょうか。自分もグロンギ達のようになってしまうのでは?またそんな思いとは裏腹にみのり(五代君の妹)のつとめる保育園の子供達の笑顔が脳裏をよぎる。そんなシーンに並行して描かれる保育園児たちの喧嘩と仲直りには小さいながらもよく「愛憎」が表現されていました。

 仲直りが出来ないしゅうと君に五代君がかけた言葉「わかりあえるよ、人間同士なんだから」は、もちろん物語りの上では未確認生命体(グロンギ)という存在をふまえての事でしょうが、現代人に対して発せられているとも受け取れるのではないでしょうか。また、みのりが喧嘩をしているもう一人の子供、ひろゆき君に言います。「嫌なことはイヤだって言う勇気もも必要なんじゃないかなぁ」と。ウ〜ム、唸らせますねぇ。

 桜子さんの古代文字の研究によれば、戦士を表す文字は元々「戦いを好むグロンギ」の文字だったのでは無いか?「平和を愛するリント(古代人類)」(現代人類に対するアンチテーゼか?)は元々戦士を表す文字そのものをもってはいなかったのではないか?と解ってきたようです。すなわち戦士クウガも元々グロンギ側の生命体ではなっかたのか?

 そしてもうすぐ黒いクウガ、アルティメットフォームが登場します。ゴ・ジャラジ・ダを倒した爆発の炎の中に立ちつくすクウガの頭の中にイメージが現れましたね。果たしてクウガは「みんなの笑顔の為に戦い続ける五代雄介」であり続けられるのでしょうか?グロンギ達の中ではなにやら内紛も起きてきてるようだし、かなりはじめの方から出てるコウモリ種怪人のズ・ゴオマ・グが強くなっちゃったしりましたねぇ。仲間であるはずのゴ・ザザル・バから「なんだズの奴か」なんて虐げられてましたが、彼はどうなるんでしょう?ますます目が離せなくなってきましたね。
 
 長くなってしまいましたがそれではまた来月お会いしましょう。


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