仏蘭西紀行

8 モントルカン、峠越え、行水

 9月7日、木曜日。快晴。ブールージュの街はわりとあっさりボクを離してくれた。ツーリングに出て初めて早く出発した(といっても9時半)ご褒美だろうか、すんなりとN.144に乗れた。

ブールージュからのN.144はやたらとアップダウンがある。それに加えて、この日は(というかこのルートは)やたらとトレーラー級の大型対向車が多く、すれ違う瞬間に来る、あのビッグウェンズデーの如き向かい風!ボクのこの前面投影率の大きな体と、そんなボクを乗せ、さらにサイドバッグまでつけてこれまた前面投影率がグンと上がっている自転車に、ブワッハァァ!!と容赦なくぶつかってくる。そのたびにスピードは殺され、ひどいときには押し戻されそうにさえなる。全くついてない。なかなか進めやしない。

昨日あたりから、やっと水は買うものだという感覚に慣れてきた。今日もすでに3リットルもの水を買った。

今日の目的地であったモントルカン(MONTLUCON)には5時前に到着した。とりあえず一休みしてから、この町で一泊するか、もう少し進むかを決めることにする。行き当たりばったりの旅だからこんな時には楽だ。気が向くまま。

結局1時間ほど休み、今度はN.145に乗り換え東に向かって走り出す。もう少し行こう。しかし、走り出すといきなり峠。ゲロゲロ。峠を越えN.145沿いにキャンプ場を発見。そこでテン張ることにする。料金は10F(当時で約200円)。なんと水道があっちこっちにある。このところ水に関してかなりの苦労を強いられてきたのでよけいに感動。思わず顔や頭、手足を洗う。さすがに汚れていた。なにせパリを出て以来6日間、一度も風呂に入っていない。服さえ着替えていない。気候的にかなり乾燥しているうえに少々寒いくらいだったもので、走っていてもほとんど汗をかかなかったのだ。だからそれほど気にならなかったのだが、しかし、それにしてもポロシャツは垢で目詰まりしていた。あー汚ねぇ。軽く水洗いしたくらいじゃ、全然とれなかった…。

今日の走行距離は100kmちょい。結構アップダウンがあったわりには良いペースだ。


安心&水道付きのキャンプ場
  

|前へ|次へ|