仮面ライダークウガの時間

Part 10

 仮面ライダークウガの時間です。さていよいよ今回を含めて後2回。そういえば1月の2日の朝8時から最終回に向けての総集編が放映されます。今まで見られなかった皆さん、是非お見逃し無きよう!

 さて今回のテーマはやはりなんと言っても「心」。この一言につきると思います。女優を目指してオーディションを受けている奈々ちゃん(キタロウ扮するポレポレのおやっさんの姪っ子です)ですが、最終オーディションの課題が「好きな人を目の前で未確認生命体に殺されるシーン」と言うことでした。その課題が提出されたときに、一緒にオーディションを受けるほかの子に「先生が殺されたのが役に立つね」と言われ、内心激怒します。そう、彼女は以前大好きだった演技指導の先生をグロンギ(未確認生命体)に殺されていたのです。

 奈々は五代君(クウガです、念のため)に激白します。「ひっぱたきに行ってもいいですよね?!」と怒りを暴力に置き換えて自分の気持ちをはらしたいと思っている奈々に五代君は「行くべきだと思う。でも俺はこれを使って凄くイヤな気持ちになったよ」と拳を見せて奈々を諭しつつ、その言葉の裏には拳でしか戦うことの出来ない連中を相手にしている寂しさが漂います。「人間だから大事なのは間違ってることをわかるように伝えることじゃないかな」と。そんな五代君に対して「きれい事ばっかりやんか!」と奈々は突っかかっていきます。

 このあたりは従来のシリーズには見られなかった所ではないでしょうか。現実はそうはいかないんだと言う切り返しですね。しかし、しかしですよ、さらに五代君は笑顔で言います。「でもきれい事が一番いいんだからさそうしたいじゃない」と。五代君自身も「みんなの笑顔が見たいから」と言う理由で戦っているわけです。アムロ(「ガンダム」のです。念のため)みたいに「戦いたくて戦っているわけじゃない!」なんてごねたりしません。そのすぐ後、五代君はクウガとしてゴ・ジャーザ・ギと戦いますが、その時のシーンはまた秀逸で、戦うために拳を握りしめるクウガと、戦うことを(友人をひっぱたくことを)こらえるために拳を握りしめる奈々の姿を交互にカット割りしていて唸らされましたねぇ。

 かつて仮面ライダーV3を演じた宮内洋氏が言っていました。「子供番組は教育番組だ」と。まさに今シリーズはそんな感じがします。そしてそれも、現実離れした物語の中だけの話しとしてではなく、かなり細やかに現実を織り込みながら。そんなクウガワールドではまさにそのまま、エピソード43でサブタイトル「現実」として描かれています。単純に仮面ライダー対怪人ではなく、現実の中で起きているもろもろの事件がそのままストーリーとして展開されるあたりは素晴らしい。そしてそこにはあえて超現実的なクウガを登場させずに(だから本当の刑事ドラマのようです)展開させなければならなかったのだと思います。

 一条刑事の犯人逮捕の瞬間を見て怖がっている少女に(彼女は一条刑事の優しい所をよく知っています)五代君が「怖くてイヤだけどどうしようもなく(そんな一条さんも)いるんだよね」「でも笑ってる一条さんも本当の一条さんだから」と話すあたり、従来の子供番組の枠を越えていると思いません?

 またまた長くなりましてすいません。でもあともう一回書きます。次回は最終回です。きっと。それでは皆さん、くれぐれも最終回までお見逃しの無いように。そして1月2日(火)AM8:00〜AM10:00の総集編で復習を怠らないようにしてください。お酒を飲んで寝ている場合ではないですよ、くれぐれも。

 では来月またお会いしましょう。      

Part 10.5

 ちょっとだけページが余ったので、クウガの続きを。
 
 エピソード42でやられちゃった怪人、ゴ・バベル・ダはかわいそうに間に入るCM前にやられちゃいました。それも初お披露目のビートゴウラム(ビートチェイサーとゴウラムが融合合体したヤツです)の金の力で。この技、きっとこれっきり出てこないのではないかなぁ。

 エピソード43「現実」の中で五代君の妹で保育園の先生をしているミノリちゃんと園児達が歌った「たんぽぽのうた」ってのがあるんですけど、これがとても綺麗な歌詞だったので皆さんにお教えします。

  タンポポのお花は もうここにいないの
  風に吹かれフーワフワ 飛んで行く 飛んで行く
  タンポポのお花を いつかまた見つけて
  風に揺られユーラユラ かわいいね かわいいね
  
どうです?素敵でしょ。


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