回転木馬の独り言

2005年3月

 またまたいつの間にか月日が過ぎてしまいました・・・何と一年振りの再開です。

 さてさて、前のMTBを作って約10年。ボクは立派(かどうかは定かではないが)な自転車屋さんとなるべく、一生懸命に仕事を頑張った。そうすると皮肉なことに自転車に乗る機会はどんどんと少なくなって行った。それとともに自転車に乗る楽しさも薄れつつあったのかも知れない。

 乗る機会が少ないので、これと言った不満も出ない。毎年々々リリースされるニューバイク達。勿論仕事なので、色々調べたりして知識だけは付くが、実際が伴わない。自転車倶楽部では年に一度、大きな試乗会を企画、開催していたので、その時に多少は乗ってみたりしたけれど、ボクの心を震わせるバイクはあんまり無かった。あんまり無かったと言うからには、少しは有ったわけで、スコットのサーモプラスチックフレームのとスペシャライズドのM2フレームのには随分と感動させられた。

 だけど、先にも言ったように、あんまり乗らなくなっていたので、欲しい!とまではならなかった。それに、ミヤタのカーボンフレームはそれなりに随分と乗りやすかったのだ。

 21世紀最初の年、つまり2001年、自転車倶楽部を退職し、今の回転木馬をオープンさせた。以前の反省から、今度はなるべくお客さん達と一緒に遊ぼうと思った。そして、有り難いことに順調にお客さん達が来て下さり、一緒に走りに行くことも増えた。そうなるとそう、欲しくなるもんです、新しいマシンが。当たり前だけど、ウチで買ってくださったお客さん達のバイクはどれもこれもボクのミヤタちゃんよりずっとずっと新しく、変速だって9段も有るのだ。ミヤタちゃんは未だに7段。まぁ、段数が問題な訳では無いのだけど、でもねぇ。

 そんなある日のこと、コメンサルという聞いたこともないブランドの案内がFAXされてきた。試乗会をやるという。なんだか面白そうだなと思い、行く予定にしていたのだけど、生憎、当日体調を崩し行くことが出来なかった。

 しかし後日、関西方面でイベントが有ったとかで、当時の代理店だったサローネ・デル・モンテの鎌苅君がわざわざコメンサルを持って店に寄ってくれたのだ。彼のセールストークは「とにかく一度乗ってみてください」だった。で、乗ってみた。ボクの感想はこうだった。「これ、ホントにアルミバイク?」

 ボクのアルミバイクに対して出来上がっていた概念が崩れた。ただ、残念なことにその時は店の周辺でしか乗れなかったので、舗装路しか試せなかった。

 そしてまたまた後日、サローネ・デル・モンテから連絡をもらい、彼らの本拠地、愛知県は作手村まで試乗をしに行った。彼らはすべてのバイクを試乗出来るようにしてくれていて、しかも、山の中に、試乗するためのコースまで用意してくれていた。こんなディストリビューターは初めてだ。

 そんなわけで、山の中で思いっきり試乗することが出来た。やはり乗りやすかった。(詳しいことは「コメンサルの世界への招待状」に書いたので、ここでは割愛)がしかし、サイズが問題だった。コメンサルからリリースされているのは本国でもLサイズまでだった。ボクには小さいのだ。いくら良いバイクでもポジションが出鱈目じゃダメなわけで・・・・。それが、2001年の夏だった。

 仕方が無いので、試乗車を兼ねて、FUN用に一台組んだ。自分用のが欲しいよぉとダダをこねたって、サイズが無いのだから仕方がない。大体、デカ過ぎるのだ。お陰で人様より儲けが少ないくせに、人様より生活に金が掛かる。不経済なことこの上ない。

 それから1年半ほど後、03モデルの発表があった。何と嬉しいことに03モデルからXLサイズがリリースされるという。これは買い!でしょう。と言うわけで、スグに注文を入れた。日本には通常Lサイズまでしか入っていないのだけど、ボクだけの為にXLサイズを頼んで貰った。それが、いま乗っているエッセンスだ。

01.pvw.jpg
店長号詳細へ→

 フレームだけ欲しかったので、VIP(フレーム売りの場合の名前)にすれば良かったのだけど、エッセンスのアナダイズドブルーが凄く綺麗で気に入ったのだ。だから、入荷してきたらスグにバラして、全くのオリジナル仕様になった。

 久しぶりのニューバイクはかなり快適。なんせ、後ろの突き上げがかなり少ないので、少々荒っぽく下っても後ろが上がってこない。山の中に持ち込んで押したり担いだりしても軽いからラクチン。本当に良いバイクなのだ。

 シマノのデュアルコントロールレバーも、最初はややとまどったが、慣れてくるとかなり使いやすい。ただ、今まで以上にレバーの角度や遠近の位置調整をシビアにしなきゃならないし、ボク個人のことを言えば、シマノが奨めるローノーマルのリアメカとの組み合わせより、従来のトップノーマルのリアメカとの組み合わせの方が使いやすい。初心者にはローノーマルとの組み合わせの方がわかりやすくていいかも知れないけども・・・。

 そして、2005年、今度はボチボチロードバイクが欲しくなってきている今日このごろなのだ。

|前へ|次へ|