VOODOO　MARASA改
03年11月製作。 雑誌「BICYCLE NAVI」の依頼で製作。2003AUTUMN号の特集企画「みんなのカスタム」に掲載された。与えられたテーマは「クロスバイクをベースに、シンプルでカッコ良く、お買い物の荷物がちゃんと積めるカゴ付きのスポーツバイク」と言うことだった。 ベースのバイクを何にしようか随分と迷った。当初、普通の（スポーツバイクにちょろっと興味を抱いた程度のと言う意味で）人が最も入手しやすいだろうと思い、スペシャライズドのシラスＡ１を選んだ。それを編集部に伝えると、それは他のショップさんのカスタムとかぶるから別のにして欲しいと言われ、また悩む。で、結局、入手のしやすさとかは度外視して（と言ってもそれほど珍しいわけでも無いと思うが）、見た目の格好良さと、造りの丁寧さで気に入っているこのMARASAと相成ったわけである。 さて、こういう、スポーツバイクとママチャリの融合的なのはわりと得意とするところなのだけど、今回はどんな感じでいくか？今まではオートＤを組み込んで、かなりママチャリ寄りに仕上げることが多かったので、今回は前々からやってみたかった内装７段変速を使ってみることにした。 内装変速のいいところは、まず見た目のシンプルさ。それとチェンがガチャガチャ動かないので、トラブルもおきにくい。それだけで、一般的な女性達には大助かりだと思う。それで、７段も有れば十分だ。但し、重量がやや気になるのは致し方のないところ。それからいつものオートライト仕様は外せない。いまだに夜の無灯火自転車が多いのは嘆かわしいが現実だ。いっそのこと、一般車はすべからくオートライト仕様にしてしまえばいいのだ。 泥除けも必需品。雨の多い日本、メインユースが買い物と言うことなら絶対に外せない。ここまで決まると、あとは細々としたフィッティングやギア比等、多少悩む事はあったものの、大体のイメージは出来上がった。 従来は依頼者が居て、相談しながらこうしようとかああしようとか決めることが出来た。言い換えれば、その人の為だけのバイクを製作するわけで、その対象となる人がいる分、考えも纏まりやすいし、また作りやすくもある。が、今回は違う。オーナーは未定なのだ。それが今回一番の苦労どころだったと言っても過言では無い。