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3日目 走行距離:51km

07:00起床。よく眠れたのだが、起き上がると体がダルく、動きも重くて、やはり疲れている。
リュックを背負って走っている為、肩ががちがちにこっている。
しかし窓をあけると今日も晴天、最終日だしがんばるぞーと力を出した。

民宿で出してくれる朝食をいただいた。おいしくて、ご飯のお代わりまでした。この数日、とても健康的な生活を送っている。無職になってからの、ワンルームの自宅でジィーーーっとしている日常とは対象的である。
準備をして、08:30出発。
今日は都志から岩屋まで36kmを走って、淡路島とお別れである。

海岸沿いを走っていると、よくちりめんじゃこやいかなごが干してあるのを見た。潮の匂いがする中、快調に進む。走っているうちに体がほぐれ、疲れを忘れた。海を見ながら走っていると気分がよく、まだいくらでも走れるような気がしてきた。この旅行ももう残りわずかなので、大切にペダルを踏んでいく。

しばらく走ると北淡町に入り、震災記念公園に到着。行ってみると、野島断層保存館と共に淡路の物産館やらジャンクフードの屋台やらが並んでいる。まるで観光地のような趣に、なんだか違和感を覚えた。たくさんの方が亡くなったり被害を受けたりした、あの阪神・淡路大震災をダシにして地域の活性化を図っているような、そんな不謹慎な空気が漂っていて落ち着かなかった。復興のためもあるのだろうが、こういう施設に「淡路特産・びわソフトクリーム」のお祭りのような屋台なんて必要なんだろうか。同じソフトクリームなら、他の場所でも売っていた。ここは震災を知る場として一貫してほしいと思った。

というわけで、なんだかモヤッとした気持ちで再出発。フェリー乗り場までもうあと数kmである。この辺では、「いかなご」とか書いたノボリが立っているような、ちいさな海鮮おみやげ屋さんがよくあった。暑いくらいの気候なので買って持って帰れるかどうか分からないが、そのうちの一軒に入ってみた。おじさんとおばさんが二人でやっていて、店の奥はお家になっているようだ。いかなごや、たこや、生の海草などが冷蔵庫に並べられている。ちりめんじゃこは冷やさなくても持って帰れるということなので、おみやげに少し購入した。お二人とも私の自転車を見て、毎年秋に自転車で一周に来る親子の話とかをいろいろと話してくれた。おじさんは、「わしも若い頃は自転車であちこち行った」と言っていた。一人で自転車に乗っているからか、今回の旅行ではよく人に話し掛けられた。こういうのは結構うれしい。

11:00すぎ、道の駅あわじに到着。釣りをしている人たちに混じってベンチに座り、明石大橋をボーっと眺める。ここからフェリー乗り場まであと1kmである。なんか、「もう終わり?」という感じである。3日間もこぎ続けるんだから、自転車に乗るのがイヤになるんじゃないかと恐れていたがそんなことはない。自分のペースでゆっくり走って、休憩もしょっちゅうしていたからだろう。

明石大橋
明石大橋。

フェリー乗り場に向かって再出発。登り坂をひとこぎひとこぎ、大事に進んでいく。なんか坂がきついが、もう少しで終わりだと思うと苦ではない。が、1kmを超えてもなかなかフェリー乗り場にたどり着かない。ん?だいたい、海の方に行かないといけないのに、なんで坂を登ってるんや?………ん?………あれー、道まちがえてるやんー!!坂を2kmほども登ってからやっと気が付く(もっと早よ気付け!)。せっかく登った坂をもったいないが下って、道の駅あわじに戻る。辺りを見回して、下ってきた道と枝分かれになっている、海沿いの平坦な道の方へ進む。すぐにフェリー乗り場が見えた。ふぅ。危うくもう一周するところだった。まぁ、何とか無事ゴール。おめでとう!私。

たこフェリー
私が乗り場に着くと同時に港を離れたたこフェリー。
道をまちがえなければこれに乗れたんだよ〜(涙)

乗り場に着いた時に前のフェリーが出たところだったので、30分ほど待って次の12:10発に乗り、淡路島から離れた。たこフェリーの甲板に立ち、だんだん小さくなっていく淡路島を眺めていると、2日前に同じフェリーに乗ってやって来たのが昔のことのようで、懐かしい感じがした。濃い3日間だった。

12:30頃、明石到着。2日前に皆で行ったが定休日だった明石焼屋さん、「松竹」に再度行ってみた。2日前に食べた明石焼より、たこのやわらかさも生地のフワフワ度もだしの香りもすべて上だった。生地に醤油が入っていて、香ばしくておーいしーい。だしに三つ葉を入れて食べるので、上品なお味である。まっさんやさっちゃんやN原君、Y永さんたちと食べられないのが残念だった。機会があれば、皆様行ってみてください。

松竹の明石焼
皆で食べたい明石焼。

明石駅から大阪駅までは、輪行して帰ることにする。駅構内の大きな柱の横で自転車をばらした。輪行は3回目だが、一人では初めて。輪行袋に詰めるのはいつも回転木馬の店長にやってもらっていたので、一人でやるのは若干不安だったが、三度も手伝ってるし、説明書があるので大丈夫だろう。

輪行袋に付属されている金具を、前輪部と後輪部のどっちにはめるのか分からなくなり、説明書を探す。………ん?………あれー、説明書ないやん!!お家に忘れたのか…?仕方がないので回転木馬の店長に電話して聞くことにする。
電話に出た店長は私の質問に対して「あ、その金具は頭の上に乗せて…」等々、楽しそうにウソ八百の返事をしてくれた。なんとか本当の答えを教えてもらい、引き続き作業にかかった。店長も本当にいい性格である。

おりしも遠足のシーズン。オタオタと作業していると、小学校低学年と思われる団体がにぎやかに列をなして明石駅構内に入り、こちらに向かってきた。そして私の正面、数メートル手前で先生の指示があり停止し、整列して、三角すわりをした。どうやらトイレ休憩&電車待ちのようである。ゲゲ、小学生の皆様が見ている前で袋詰めをしないといけないのか…。今は自転車がバラバラ状態なので移動するのも大変である。とっとと詰めて早く電車に乗ってしまおうとがんばるが、ベルトの通し方が分からず手が止まる。仕方なくまた回転木馬の店長に電話した。周りが騒がしいことを指摘され、「小学生がみんなこっち見てるねん。」と告げると、「いいねえーそのシチュエーション!」と店長は大喜びである。ベルトの通し方を尋ねると、案の定きちんと答えてはくれず、「お尻の穴から入れて、口から出すねん、ワハハハハ」と自分の言ったことに大ウケしている。もう最悪である。頼み込んで本当の答えを教えてもらい、なんとかベルトを通して袋詰め完了。急いで改札へ向かう。さようなら小学生の皆様。私のことは忘れて引き続き遠足を楽しんでくださいねぇ。

大阪行きの電車に乗り込む。そんなに混んでいなかったので座席に座った。自転車を通路側に置いて手で支えた。荷物で人に迷惑をかけてはいけないので起きておこうとがんばるが、電車が揺れると勝手にまぶたが降り、大阪まで熟睡してしまった。

16:00頃大阪駅に着き、ここから自走で帰ることにする。まずは帰り道が分からないので構内にある近辺地図を見ることにした。私は自慢じゃないが地図を見るのが大苦手なので、一所懸命じぃぃぃーっと見ていると、知らないおじさんが声をかけて来て、道を教えてくれた。最後に「学生さん?」と聞かれ、「いやー、29歳で独身、しかも無職なんですよ〜」と言うのはとても長くて面倒なので「ハイハアト」とだけ笑顔で答えておいた。いいおじさんだった。おじさんと別れ、広い所に出て自転車を組んでいると、今度は知らないお兄さんが「僕、自転車組めるので手伝いましょうか」と声をかけて来てくれた。何を思ったかバカな私は断ってしまったのだが、とてもさわやかなお兄さんだった。惜しいことをした。それにしても、大阪駅はいい人が多いなぁ。旅っていいなぁ。

大阪駅から堺の自宅までは約15kmほど。17:30頃に自宅近くまで帰ってきた。用事ができ、まっすぐ自宅には帰らなかったのだがここで旅行終了とする。お疲れ様!私。

1日目:大阪市内〜明石が70km、岩屋〜洲本が32km
2日目:洲本〜都志が108km
3日目:都志〜岩屋が36km、大阪駅〜自宅が15km

全走行距離が、えーと、261km。

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