一月ほど前の事、久しぶりに6770系アルテグラのバイクが入庫した。
レーム交換(載せ替え)のご依頼。
新しいフレームに全て載せ替えるので、元々付いていたパーツを一旦全て外し、綺麗に洗浄し、ついでにDi-2パーツのファームウェアをPCに繋いでアップデート。
御存じない方もいらっしゃるかもしれないけど、自転車もPCに繋がなければならない時代になっているんです。
シマノでは時々各パーツのファームウェアをアップデートするようアナウンスしているので、この6770アルテグラも何か得することがるのかどうか分からないのだけど、一応アップデートしておこうかなぁ、しといた方がエエんやろなぁと。
と・こ・ろ・が、ファームウェアをアップデートしたらDi-2が動かなくなってしまった。何かミスったか?勿論アップデート前には正常に動いていたのに。
どうにも解らないのでシマノにTELすると、
「アップデートしちゃいましたかぁ・・・」と。
古いモデルはアップデートするとたまにそう言う事が起こるらしく、本当はアップデートしないほうが良かったとの事。しかし、その情報はアナウンスされていないとか。そんなん頼むから先に言うといてェや!と思わず電話口で叫んでもうたわ。
なんでも、Di-2用のアプリ「Eチューブプロジェクト」のヴァージョン3がまだシマノのサイトから落とせるので、それをダウンロードしてそのヴァージョン3でやらなければいけなかったらしい。因みに今はヴァージョン5。そんなん知らんがな・・・。
そやけどアプリでは6770系と認識するねんから、アップデート出来んようにしといてくれたらエエがな、と素人考えでは思うのだがしかし、すべての個体で出来ないわけでは無いので・・・って事らしい。っちゅうか、アップデートする意味がそもそも無いんやったら「出来ません」でエエやん?
まぁうだうだ言うてもしゃーないので、なんぞ善後策は無いのか聞くと、一先ず違うセットからジャンクションAを持って来て交換してみて、アカンかったらバッテリーマウントを、それでもダメならデュアルコントロールレバーをとの事。
たまたま他にDi-2のバイクが有ったからエエけど、そう簡単には行かんで、普通。で、言われた通りまずジャンクション。駄目。ほんならバッテリーマウント。動いた!やったー!だけど、何故か右レバーでFメカが、左レバーでRメカが動く。まぁしかしそれは大した問題じゃない。あとで設定を変えれば良いだけ。動くようになったことが最も大事。つまりバッテリーマウントを交換すればOKってコトだ。
シマノにTELしてその旨伝えると、在庫は有るようなので、それを発注して下さいとの事。発注?買うの?ウチが?と尋ねると、「ええ、そうなります」だって。そら~無いわ。1000%無いわ。やったら駄目よと言われていたことをやってしまっての事ならいざ知らず、基本的にはアップデートをしなさいと言われていて、従順に従っただけ。その辺を丁寧にご説明差し上げてご納得頂き、無事に代替品が送られてきたものの、それを繋げても動かない。念のためという事でジャンクションAも送って頂いたのでそれも交換してみたがウンともスンとも言わない。
多分、ファームウェアのヴァージョン違いだと思うのだけど、またアップデートして壊したら困る。しかもそのヴァージョン3のアプリを開くと
と出て使えない。勿論今でもそう。シマノはそんなことは無いハズと言うけど。
そんなワケで、今度はシステム全部を一旦シマノに送って見てもらうことになった。最初からそない言うてくれたら良かったのに・・・。
2-3日で戻って来て、一先ず繋いでみたら動く!けどレバーの左右は入れ替わったまま。言うてあるねんからついでにやっといてくれよ~、気ィ利かんなぁ。
まぁEチューブプロジェクトに繋いで設定を変えれば良いのだろうケド、コレに繋いでくれと言われているヴァージョン3が使えない。ヴァージョン4をダウンロードして開いてみると、おう、コレは使えそうだけど、勝手に繋げてまた動かなくなると困るのでこれまたシマノに確認を取る。
そうそう、ヴァージョン4を落とそうとシマノのサイトに行くと
こんな注意喚起がされていた。前に見た時には無かったのになぁ(笑)
ヴァージョン4で設定を変えるのは問題無いがくれぐれもアップデートしないで下さいとの事。分かっとるわい!とは叫ばず、そうですね、承知しました、と応える。大人だもん。
そんなワケで漸く元通り無事に動くようになったのだけど、結局1ヶ月近く掛かってしまった。シマノは16時までしか電話に出てくれないし、モチロン土日は休みなので、これらのやり取りがすぐに1週くらいかかってしまうのだわ。流石にこの件に掛かりっきりになるわけにもいかず、他の仕事もやりつつだと、ついつい16時を回っていたり、それが金曜日だったりするともうアウト!
Di-2さへ動いてくれればもうあとは楽チンかというと、案外そうでも無く、Di-2ケーブル内装に非対応のフレームなので、チョイチョイと特殊工作が必要だけど、まぁそれはDi-2が動かないことに比べるとカワイイものだわ。
バッテリーマウントもアルミ板で作製してそれなりの位置に。ジャンクションAからのケーブルは何とかダウンチューブに内装して、ジャンクションBからは外通ししか仕方が無いけど、割合スッキリ。
そんなこんなで無事に完成。勉強になりました!